２００５年１１月２７日
自作：シンセサイザ　その２　【ＶＣＯ】

ＶＣＯは、シンセサイザの音を出す為の大元の発振器です。
音の３要素である「音程」「音色」「音量」のうちの、「音程」を作る部分です。
実は音程だけではなく、音の基本的な特徴を決めている部分でもあります。

　Ｖ・・・Voltage
　Ｃ・・・Controlled
　Ｏ・・・Oscilator

外部からコントロール電圧を与えて、発振周波数を制御します。
ここで製作するものは、制御電圧(CV：Contlorl Voltage)１Ｖの電圧変化で丁度音程が１オクターブ（２倍の周波数）の変化となります。
基板上の半固定抵抗を調整して、低音から高音まで、ＣＶが１Ｖの変化で１オクターブ変わるように調整します。

出力は、「ノコギリ波」と「矩形波」を出すことができます。
「矩形波」は、ボリュームで設定した閾値電圧と「ノコギリ波」をコンパレートして作ります。
閾値を変える事で、出力パルス幅を変えることができます。　いわゆる、ＰＷＭ（パルス幅変調）です。

この波形が、音の基本的な特徴を決めています。



	【ＶＣＯ】 製作したＶＣＯ基板です。 上詰に部品実装してしまいました・・・。 基板の面積をもう少し有効に使えばよかったかな。（反省）
	【ノコギリ波】 ＶＣＯ基板から出力された、ノコギリ波です。 ノコギリ波は、基本波と奇数・偶数倍の高次成分で表現されます。 ノコギリ波のフーリエ展開 f(x)=sin(2πf)+1/2*sin2*(2πf)+1/3*sin3*(2πf)+1/4*sin4*(2πf)･･････
	【矩形波】 ＶＣＯ基板から出力された、矩形波です。 デューティーを約５０％に調整。　デューティー比はボリュームで調整できます。 矩形波は、基本波と奇数倍の高次成分で表現されます。 矩形波のフーリエ展開 f(x)=sin(2πf)+1/3*sin3*(2πf)+1/5*sin5*(2πf)･･････
	【調整用基板】 このＶＣＯは、CVを１Ｖ変化させることで、出力が１オクターブ変化する様に調整しなければいけません。 ・・・、っということはぴったし１Ｖ変化する調整用電圧源が必要・・・、っということですね。 作りはじめたときには、そのような物が必要である事に全く気が付きませんでした・・・。 (^_^; 「ＭＩＤＩキーボード」と「ＭＩＤＩ→ＣＶコンバータ」を使って、鍵盤を押しながら調整するのが簡単な方法と教わりましたが、この時点で我が家にはＭＩＤＩの楽器が無く、仕方なく抵抗分圧した１Ｖ刻みの電圧を出力する調整用基板を作りました。 この基板を使って、何とかＶＣＯの調整ができました。


ノコギリ波や矩形波は、上に示すようにたくさんの周波数成分を含んでいます。

今回製作しているアナログシンセサイザでは、この周波数成分を、次に製作するフィルタ（ＶＣＦ：Voltage Controlled Filter)で削り落として、いろいろな音色を作り上げていきます。
例えば、ＶＣＦで上記の関数の第１項（基本の周波数成分）のみを通過させると、ひずみの無いｓｉｎ波を取り出すことがでる、・・・ということになります。

では、ＶＣＦの製作にとりかかりましょう・・・・。

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